もともと子どもの作るクラフトは、自分自身の現実生活を基にして機能性や装飾性をイメージしているので、どれも個性的な味わいや輝きを発揮するものです。けれども出品グループ別に展示されているのを見ると、それぞれが個々の作品表情をもっているのに、 もう一つの堂々とした風格のようなものが、作品群の魅力を形成しています。一つ一つの作品が仲間の作品に寄り添い響き合っているのです。
たとえば準グランプリの「シェルタネット」はまるで合奏の響きが聴こえてくるようですし、特別賞の「トーテムポール」群は華やかな演劇舞台を観ているような気分になります。これが学校制作の不思議さであり楽しさで、ジュニアの部ならではの魅力的なクラフト特性と言えるかも知れません。個別制作なのにどこか似てしまうと言う側面があるにせよ、それぞれのテーマや制作感情をいっそう深めることで解決できると考えられます。。
しかし何よりも有り難いのは授業時間不足で芸術教育が困難になっているとき、木工クラフトにチャレンジする意欲を向き合い励まし合う仲間が支え合っていることです。寄り添い響き合う木工クラフトの教育実践は、人間関係が問われている現代教育に貴重な一石を投じると期待できます。