今年は20世紀最後の年です。世の中が来年から急激に変わるわけではありませんが、21世紀に生きる今の子どもたちには、少なくとも今以上に心の豊かさや創造的な力が求められることになるのは間違いないと思われます。そして何よりも、生き生きとした一人一人の個性をもって充実した生活を送ることが出来る力。子どもたちのそのような力を育むことは、20世紀の人間の責務ではないでしょうか。
私たちは、そのような志を持ってこのジュニア部門の運営にあたって参りました。幸いにしてこの展覧会では、規格化された材料でお手本通りに作るといった、型にはまった作品を見ることが少なくなってきました。木材という自然の素材との対話の中からアイデアを生み出し、自分独自のイメージを表現するために技術を獲得して完成のための努力を続けるというこの行為は、未来に生きる子どもたちにとって、大きな意味を持つものと私は信じています。
今年も素晴らしい努力の成果がたくさん並びました。いずれも優劣のつけ難い作品ばかりです。ですが、受賞された方々の作品には、きらりと光る個性が認められました。来年もまた、今年出品された方々の一層豊かな個性にお会いすることを、楽しみにしています。