この展覧会では、その作者の個性・独自性が、どのように作品の上に現れているかに重きを置いて審査しています。もちろん、作品を上手に作ることは大切なことです。でも、決められた通りに、あるいは図面通りに作る技術の優秀さを競うのではなく、作者が自分のアイデアで、木と触れあう中でそれを発展させ、さまざまな技術を学んでそのイメージを作品として表現する。そのことの方が、決められた通りに上手に作ることよりずっと大切なことなのです。制作の途中にはいろいろな苦労もあるでしょう。それを乗り越えて作品が完成した時の喜びは、お金で買えるものではありません。しかもその作品は、世界中でただ一点の作品なのです。そして何よりも大切なのは、こうした制作活動の中で、知らず知らずの間に創造的な力が身に着いていくことなのです。
こうした展覧会の主旨が次第に理解していただけるようになったからでしょうか、それぞれ個性溢れる作品が、この丹波年輪の里にたくさん集まりました。今年は、特に抜きん出た作品も、逆に展覧会のねらいから外れた作品もありませんでした。また、全体的に平面的なものや、こぢんまりまとまった作品が多く、構造的な作品や冒険的な作品があまり見当たらなかったのは残念でした。それだけにどの作品も力が伯仲し、審査には苦労が伴いました。入賞作品はそれぞれ独自の特色が見られるものですが、惜しくも入賞を逸した作品との間には大きな差はありません。出品者のみなさんは、来年もまたチャレンジして下さい。