ひとつまたひとつ暮らしの身辺から木のモノが消えて行く。やはり湯は木の風呂桶に限るなんてグチ、こぼしたくないけれど、でも、プラスチックの床の家には住みたくない。アルミサッシの障子もイヤだし、樹脂のおわんで三度のめしなんて‥‥と心では思っていながら、現実は厳しい。木のモノ抜きのアルミとプラスチックでのあきらめ暮らしを、経済と工業の高度成長期以来、ずっと続けてきたばくらだが。
大人はともかく、21世紀を背負って立つ子供達には木の無い生活をさせたくない。木と共生して人間らしく生きる大人に育ってもらいたい。そう願ってこのコンペは企画運営、すでに今回で7回目。
今回もまたウッドクラフトと呼ぶにふさわしい木のおもちゃや遊具や生活用具が丹波年輪の里の会場に数々、野の花のような美しさで咲き乱れて‥‥日本列島にいまだ木の生活文化健全なり!感動を覚えた。
多彩な木の色を取り合わせたミニチュアの木の家々が軒をつらねたハンドクラフトならではの「名前のない町」は、長野県からの出品。おもちゃは買わずに親が子に創ってやりましょうよ、と提言している「まるいものがいっぱい」は地元兵庫の女性の手づくり。とかく見捨てられがちな小径木とその枝を、そっくりそのまま「肩たたき」に見立てたのは南国熊本のクラフトマン。これらの提案提言が全国から寄せられていたことを、とくに評価したい。
ウッドクラフトと横文字で書くとなんのことやら、判りにくいが、ウッドは樹や木。クラフトはハンドクラフトつまり手づくり、手仕事。いろんな木のそれぞれの特色を器や道具やおもちゃに活かす法はただ一つ、昔ながらの手仕事に頼らねば。木はプラスチックと違って金型加工は駄目。ハンドクラフトつまり、手仕事でないとモノにならない。
バウハウスの宣言「われわれはいまいちど手仕事にもどらねばならぬ」を想い出して、ウッドクラフトで手仕事をとりもどそう。