丹波年輪の里は、兵庫県の丹波地域の中心旧織田藩の城下町柏原にある。ウッドクラフト創造の場所である。兵庫県で第3回国民文化祭が開催されたのを機会にして、「全国ウッドクラフト公募展」は、この年輪の里を舞台にして行われることになった。
この公募展のサブタイトルは、「集合!遊・戯・木のぬくもり」である。このことばが物語っているものは、人間と樹木とのふれあいのなかから生まれてくる文化の創造ということにほかならない。しかし公募展にはあるひとつの基準が必要である。「遊・戯・木のぬくもり」ということばは、この公募展の基準を示すものでもある。木を素材にして木の感触や木目などを生かしながら、おもちゃや遊具を対象にして、新しい工夫や新しい感覚を取り入れた造形の創造を、「全国ウッドクラフト公募展」は呼びかけているのである。
たとえ一坪の庭であっても、常緑樹や落葉樹、花の咲く木や実を結ぶ樹、高くなる木や低い木が、上手に組み合わせられると、四季を楽しめる庭になる。同様に素材としての木にも、様ざまな独特の材質がある。木の音もまことに多様である。木目や節も一様でない。造形の素材として、木のように多彩なイメージを引き出せる素材も他に見出すことは難しい。
人間は五感の調和で成り立っている。この五感を発達させる仕掛けが、おもちゃであり、遊具である。そしてまた、五感を発達させる最もすぐれた素材が木であることも、動かし難い事実である。
「全国ウッドクラフト公募展」は、回を重ねるにともなって、次第に参加者の輪が広がってきて、ことしはイタリアとオーストラリアからの出品もあった。「遊・戯・木のぬくもり」は、文化の創造の源泉である。丹波年輪の里から生まれるものの豊穣を、期待しようと思う。