VOl.69
平成14年5月
【 題 字 】
鳳翔会主宰 塩 山 重 夫
発行:兵庫県立丹波年輪の里 林産指導課
〒669-3312 氷上郡柏原町田路102−3
TEL0795(73)0725
FAX0795(73)0727
e-mail wood@hk.sun-ip.or.jp www
http://www.hk.sun-ip.or.jp/wood/
利用開発プロジェクトに
よる木質廃棄物の再生
近年、急激に変化して行く生活環境の中でゴミの不法投棄や焼却が社会問題となってきた。
国では、この問題に対処するため廃棄物処理法やダイオキシン類対策特別措置法などの強化により対処
しているが、林業・製材・木材加工業界ではこれら法律の強化で、木質系の廃棄物の自社焼却や処分が事
実上出来なくなり、工場などから排出される鋸屑や樹皮等の処理に困っている。
林業・林産業界が抱えるこれらの問題に対して兵庫県立森林林業技術センターは問題解決のためにプロ
ジェクトチームを結成した。
同センターは、すでに県産木材の消費拡大と産業活性化のための、優れた加工技術を応用し、需要に見
合った製品の試作と製造システムの検討、技術指導を行い、県下の業界の競争力強化を支援する目的で木
材利用部が設置されている。
ここでは、研究員四人、試験研究技術員一人で、県産スギ材の強度特性を活かしたエンジニアードウッ
ドの試作、間伐材や根曲がり材など低質材の建築・土木資材への活用、針葉樹構造材の適正な水分管理技
術の確立、間伐材利用土木資材の耐久性の評価と利用方法の改善に関する調査などを行うと同時に木質廃
棄物の処理・利用技術の確立について研究を進めている。
鋸屑化粧型枠を開発

スギ鋸屑を利用したコンクリート化粧型枠の研究を行っている
上村研究員
木材利用部ではスギの鋸屑、特に製材の仕上げの段階で発生するプレイナー屑を利用しコンクリートの化
粧型枠を試作、実用化を目指して研究を進めている。
鋸屑を利用した化粧型枠は一つが縦横42pの正方形で、コンクリート表面の仕上がり面が擬岩状にな
っている。

コールドプレスで成形されたの化粧型枠
また、鋸屑の接着剤としては、大豆タンパク質から製造された大豆グルー接着材により固められている。
これは、型枠の解体時に工事現場に型枠を放置した場合であっても型枠自体が自然分解され堆肥化するの
で、環境面で問題が起こらないことを目的していると言う。
現在は、コンクリートと型枠接地面に塗布する剥離剤を検討中。剥離剤としてはワセリンなど軟膏状の
油や高粘度の潤滑油が効果的であるが、環境に優しい生分解性の固形油(植物油)なども含めて試験研究
を行っている。
今後は、固形油の塗布温度条件を明確にするとともに、実大サイズの型枠を制作し、年内には龍野農林
振興事務所治山課と共同でセンター内において実証試験を行う。
鋸屑でキノコ培地を栽培
森林資源部では鋸屑をキノコの培地として利用する研究が進められている。
キノコの栽培には、スギのオガ屑を6箇月半流水処理したもの、膨潤処理したもの、ヒラタケ廃菌床に
4箇月半堆積させたものなどそれぞれに、栄養材として米糖を加え混ぜ合わせビン詰めしヒラタケ、マイ
タケ、ハタケシメジなどを植菌している。
ヒラタケの場合、流水処理と廃菌床に堆積させたものから発生したものが成績が良かった。
マイタケ、ハタケシメジについては現在培地が熟成中であり結果はまだ出ていない。
センターではこのほかにも鋸屑や樹皮の堆肥化など研究を進めている。
型枠の制作について説明を行う島田部長
今回、木質廃棄物の再生プロジェクトのリーダーを担当する木材利用部の島田部長は「長引く不況で木材業
界は大変厳しい状況にある。これからセンターは意欲的で元気の有る企業を積極的に支援していく。セン
ターは業界から実用性の高い技術研究が期待されている。研究員も研究室にこもらずに企業とタイアップ
し競争力とニーズの高い製品開発にドンドン取り組んでもらう。」と語った。
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針構造用製材のJAS改正
農林水産省が針葉樹の構造用製材のJASの規定を改正、施行から3ヶ月がたった。今回の改
正で乾燥処理仕上げ材として「SD15」「SD20」などを新たに新設するとともに、寸法誤
差についてマイナスゼロとするなど規格が強化されている。

切れ味抜群! 製材を支える目立てのプロ気質
近頃、コンピュター制御の製材機械が幅を利かしているが、製 材品の良し悪しは鋸の目立てにあり、
職人的な技術が大きく左右すると言う。
父や先輩から受け継いだ鋸目立ての技術と職人気質で丹波の製 材をガッチリと支える。
昭和四十年代には二・三百人もいた県内の製材用帯鋸目立て技術者は、今では五十名に満たないという。
丹波でも芦田さんの他4名のみ。
芦
田
真
也 さん(50)
芦田目立加工所(氷上郡氷上町沼17)
また、目立ては個々の製材機械の性能やクセに合わせた加工が必要で日々の技術研鑽が求められる。
今もヒマがあれば吉野や桜井に出かけて勉強したいとのこと。
失敗やニガイ経験は数え切れないが一番嬉しいのは製材所からの質の高い目立ての要求に応えられた
時だと笑う。
これまで頑張って来られたのは丹波の地で多くの人々に支えられてきたからだと言う奥さんとの二人
三脚だが、今後は違う分野にも自分の腕を試したいとか。
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三木の農工具柄

カナヅチや手グワ類の木製柄の製造。
金物のまち三木にはこのほか鑿や鋸の柄や鉋台ごとに各々木工業者が分業。
安価な中国製品には優れた品質と機能性で迎え撃つ。
槌の柄だけで200種類とプロの使用に耐える豊富な品揃。
実井木工所(三木市府内町)
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