メイン林産指導課の紹介情報誌 「林産だより」 平成17年度国産材・県産材を活かす情報 >第90号(P3) 新しい木材の利用 (3)ハイブリッド重ね梁 (4)木造スペースフレーム

第90号(P3) 新しい木材の利用 (3)ハイブリッド重ね梁 (4)木造スペースフレーム

(3) ハイブリッド重ね梁

製材品は、三、四、六mなど定尺で流通することが一般的。一方、断面が大きくまた、長い材を入手しようとすると、産地や供給できる製材所も限定されてくる。
一般的な製材品を使う場合は、民間住宅程度にとどまり、比較的大きな空間の確保はできない。
この「ハイブリッド重ね梁」は、正角の地域材を使い、長さ方向及び厚さ方向にそれぞれ縦継ぎ、重ね継ぎをおこなう。縦継ぎはフィンガージョイント接着継ぎ。

重ね継ぎは、菱形ジベルを挟み込み、その中心をラグスクリューまたは貫通ボルトで締め付け、ずれ止めとする。製作された部材は、同断面の無垢材とほぼ同程度の断面性能が得られるという。


特徴は、まず、小さい断面のままでの材料搬入ができること。さらに製作には特殊な工具は不要。一般的なジャッキ等を使うことで、製作場所は、建設現場の近くでも可能。 また解体時には、ボルトをはずすことで容易に分解することができ、資源リサイクルの点でも有利。標準の制作可能範囲は、最大三段重ね、梁背630ミリ。

(4) 木造スペースフレーム (Ki Truss)

スペースフレーム構造とは、単材等を三次元的に配置し、一定のパターンの繰り返しでつくる構法。立体空間構造を骨組み(立体トラス)で構成する場合、通常単材は鋼管、アルミパイプ等が使用される。本構造は、ここに中小径木材を使用。さらに、節が多く虫食い痕のある間伐材が利用できることも特徴。

間伐材等は利用価値が低く、従来は、チップにするか林内で切り捨てられるなどされていたが、この構造では未利用資源の建築材等への有効活用が可能。また、構成部品の高い寸法精度により、建設現場での組み立て作業や施工品質の管理や維持を容易にできるとされ、これにより木造による長大屋根構造とすることが可能。


標準部材には径50~210ミリ、長さ3,000~4,000ミリのヒノキ丸棒を使用。同構法で建築された兵庫県宍粟市の「アイビードーム」(梁間40m、1,218㎡)は、木材利用推進中央協議会主催の平成16年度優良木造施設・農林水産大臣賞を受賞している。



開発元(3、4とも)
(株)森林経済工学研究所  兵庫県加東郡社町出水
TEL:0795-43-8238 http://shinrin-ken.co.jp/

両構法とも部材サンプル、説明パネルを丹波年輪の里にて展示中。
林産だより第90号から転載