はじめに
「林産だより」百号の発行を心からお祝い申し上げます。
兵庫県立丹波年輪の里・林産指導課が、木材情報の発信や、さまざまな研修会、イベント等を通して県内の木材関係業界の指導育成に尽力されていることに対しまして、深く敬意を表するところであります。
さて、この記念すべき「林産だより」百号の誌面をおかりして、現在、兵庫県が取り組んでいる県産木材供給の構造改革と県産木材の利用促進対策についてご紹介させていただきます。
新たな県産材供給システムの構築
本県は有数の森林県〔民有林面積8位(532千ha)〕であり、豊富な森林資源を有しているものの、木材の利用は全国的にも低位な水準にあり、成熟化している資源の有効利用が進んでいません。
そこで、既存の流通体制に加え、森林資源と大消費地に近い本県の特性を活かし、県産木材供給の構造改革を行い、品質・価格・供給力で外材等に対して競争力のある県産木材の供給体制を構築することが必要です。
まず、平成18年度に原木の集積から製材加工までが一体となった「県産木材供給センター」の事業化シミュレーション調査を実施し、19年度は、調査結果を踏まえ、県産木材供給センターの整備・運営を行う実施事業体の公募・選定を行い、20年度に用地造成、21年度に施設整備を行い、22年度からの本格稼動を目指しています。
○事業化への基本的な方針
- 森林所有者に利益を還元し、持続可能な森林経営をめざす
- 大きなシェアを占める外材に、品質、価格、競争力で対抗できるシステムを構築する
- 県内の森林資源を有効に活用するため、直材だけでなく、曲材等低質材も加工できる体制を整備する
○事業化に向けての課題
特に、原木を安定的に大量に供給し、かつ、森林所有者に利益還元するためには、低コスト搬出システムによる原木生産が大きな鍵を握っています。
また、外材と対抗するためには、価格面では、スケールメリットによる製材コスト低減、製材歩留まりの向上、流通経費の削減が大きなポイントになります。
さらに、販売体制を確立させるためには、徹底した品質管理が最も重要です。
何よりも、これらの条件を全てクリアーする業界の意気込みが最も大切です。
「ひょうごの木造・木質化作戦」
県産木材の一層の利用促進を図るため「ひょうごの木造・木質化3大作戦」(1)公共施設等木造・木質化50%作戦 2)県産木造住宅10倍増作戦 3)暮らしの中に木材を取り入れる運動)を引き続き展開し、需要拡大を図っています。
○公共施設等木造・木質化50%作戦
「木の良さ」をアピールするため、多くの県民の方々が訪れる波及効果の高い公共施設の木造・木質化を強力に推進してきました。平成11年度に副知事を会長に発足した「公共施設木材利用推進会議」が中心となり、建築・改修する県、市町、団体施設について法令等の制限から困難な場合を除き、木造化又は木質化を推進しています。 今年度から木質化率を50%にアップさせ、計画段階から強力に指導しています。
○県産木造住宅10倍増作戦
県産木材利用木造住宅特別融資制度の活用促進や住宅相談会・見学会の開催などにより県産木材利用木造住宅や内装木質化住宅の建設を進め、平成22年度を目途に千五百戸を建設することとしています。また、マンション事業者や工務店等を対象とした県産木材利用内装材施工例等の現場研修会を開催いています。
○暮らしの中に木材を取り入れる運動
木材フェアや県産木材製品展示会の開催、木製用品カタログの作成・活用、県ホームページを活用した情報提供、県産木材を使用した内装材や学習机など暮らしの中での多様な木材利用方法を提案するとともに県産木材の利用相談や情報提供を充実し、「暮らしの中に木材を取り入れる運動」への県民の参加を促進しています。
また、木製用品を取扱う事業者を「木づかい推進協議会」として組織化するなどPR活動を強化しています。マンションモデルルームなどのオープンハウス等を利用した消費者を対象のモデル展示活動も実施しています。(兵庫県林務課)